コロナ下の換気、ヒートショックにご注意! [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2021.02.18

コロナ下の換気、ヒートショックにご注意! [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.143

 

◇コロナ下の換気、ヒートショックにご注意!

 

立春を過ぎたとはいえ寒さの厳しいこの時期ですが、コロナ感染対策から換気も必要です。その際に気をつけたいのが急激な温度変化で体に負担をかけるヒートショック。

 

血圧の急変動は心筋梗塞など命に関わる病気の原因になります。また、コロナ下の自粛生活のストレスもリスクを高めるので注意したいところです。

 

今回は、冬の寒さで体調に大きな影響を与えるヒートショックについてお伝えします。

 

温度の急激な変化による血圧の変動は、不整脈や心筋梗塞、脳出血、失神などを誘発させるリスクを高めます。
 

 特に注意が必要なのが、入浴やトイレなど、寒い場所での脱衣です。

 

入浴時では、暖かい居間から冷えた脱衣所に入る際に血管が収縮して血圧が上昇します。

また、冷たい浴室に入るとさらに血圧は上がる。早く温まろうとすぐに熱い湯に入ると、その刺激で血圧が上昇する。

体が温まるにつれ血圧は下がりますが、冷えた脱衣所で再び血圧が上がることになります。

 

一方、血圧が急に下がる時にもリスクがあります。
 

湯船で寝そべった状態から急に立ち上がると血圧は一気に降下し、立ちくらみを起こし転倒や失神することがあります。
 

つまり、このように入浴時は脱衣、入浴、湯船から立つ、脱衣所に出る時と、4回のリスクがあるということです。

 

暖かなリビングからトイレにいこうと廊下に出たとたん冷気に身がすくむことがあります。

また、朝は自律神経の中でも交感神経が働き、体は血圧を上げようとしているので、起床時に寒い廊下やトイレにいきなりいくとヒートショックが加わり、急激な血圧上昇を招きやすいので注意が必要です。

 

 せっかちな私がよくやりがちなのは、短い時間だからと部屋着のまま屋外に新聞を取りに出たり、ゴミ出し、洗濯物の取り入れなどしがちですがリスクが高いといえます

面倒でも必ず、上着を羽織るなど習慣づけるようにしています。

 

これまで、どんな人がヒートショックを起こしやすいのか、ヒートショックで倒れた事例からみると、高齢者、特に動脈硬化で血管がもろくなっている人です。

 

また若くても、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化疾患や、不整脈などの循環器疾患の持病がある人も用心したいところです。

 

さらに、コロナ下で自粛を余儀なくされていると、ストレスで血圧が上がる人も少なくありません。また、運動不足や過食は動脈硬化を進める可能性があります。

 

 ともかく、家の中の温度差を少なくすることヒートショック対策のカギです。2018年に世界保健機関(WHO)が公表した「住宅の健康性に関するガイドライン」では、冬は最低でも全室18度以上、高齢者がいる場合は21度以上を推奨しています。

 

しかし、一般的に日本家屋ではかなり厳しいので、少なくとも全室1315にはしたいところです。
 

家の断熱性と気密性を高める方法として、外気が入りやすいコンセント周りを養生テープで塞ぐ、廊下や玄関ドアの足元にドアクッションを置く、カーテンを床まで覆う長さにするなどの方法が提唱されています。

 

また、玄関や階段につながる通路など、冷気が入りやすい場所をカーテンで仕切るのもいいです。
 

なかなか、全室を温められない場合は脱衣所やトイレに暖房器を置き、浴室を入浴前にシャワーなどで十分に温めておくなどの工夫も必要。

 

素足は避けフローリングや脱衣所にはマットを敷くなど工夫しましょう。

 

足裏から感じる冷たさでも血圧上昇の引き金になります。
 

就寝中の寝室の室温は18度以上に保つように努めましょう。

 

これは、寝具内は2833度なので布団から出た時の温度差を少なくするためです。

 

できれば、朝は部屋を温めておくためリビングや台所の暖房器具のタイマーをセットしておくのも効果的です。

 

ともかく、この冬は感染症予防のため、換気をする機会も多くなります。

 

その場合、人がいない部屋の窓を開け、人がいる部屋との間とその部屋の窓を少し開ける2段階換気をすると、急激な室温の低下を起こしにくいことが分かっています。

 

我が家では、換気中はエアコンなどの暖房をつけておくことにしています。

 

 

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