2021.02.05
認知症の予防効果が期待できるフルーツは? [薬学博士からのアドバイス]
脳科学的栄養学No.140
◇認知症の予防効果が期待できるフルーツは?
今回はクイズで考えていただきます。
【問題】 “認知症の予防”を目的にして米国で開発された食事法「MIND(マインド)食」で、摂取を推奨しているあるフルーツがあります。
さて、そのフルーツとは、以下のどれでしょうか?
•(1)メロン
•(2)リンゴ
•(3)バナナ
•(4)ベリー類
「認知症」の発症には、生活習慣や食生活が深い関わりがあるとされています。
特に、認知症を予防するための食事法については、世界的に研究が進められています。
2015年には、米シカゴのラッシュ大学医療センターで考案された“アルツハイマー病を予防する”食事法「MIND(マインド)食」の効果が発表されました。
認知症を発症していない高齢者923人を対象に、平均4年半にわたる追跡観察を行った結果続、MIND食摂取を厳密にを行ったグループは、少ししか実行していないグループに比べてアルツハイマー病を発症するリスクが53%も低かったという結果が出ました。
MIND食は、心臓病の予防効果やダイエット効果が確認されている地中海食、そして高血圧を防ぐために米国で考案されたDASH(ダッシュ)食という、2つの優れた食事法をベースに、“認知症の予防を目的に”新たに考案された食事法です。
MIND食では、積極的に食べた方がいい食材10項目と、逆に食べ過ぎないように注意すべき食材5項目を示しています。
具体的には、動物性脂肪(飽和脂肪酸)や甘いものを控え、オメガ3などの不飽和脂肪酸を含むオリーブオイルや魚、ナッツ、抗酸化物質であるポリフェノールが多いワイン、カロテノイドや食物繊維が豊富な緑黄色野菜などを推奨。
オメガ3などの脂質は脳の血管や細胞膜の材料になり、抗酸化物質は血管の老化原因となる酸化ストレスを抑えてくれる重要な物質です。
このMIND食の推奨食材となっているフルーツが、ブルーベリーなどに代表される「ベリー類」です。
ベリー類は優れた抗酸化作用を持つポリフェノール(アントシアニジンなど)を豊富に含みます。
70歳以上の女性約1万6000人を対象にした研究では、ベリー類の摂取量が多い人は認知機能の低下が最大2.5年遅いと報告されています(Ann Neurol. 2012;72(1):135-43.)。
日本人が大好きなイチゴ(ストロベリー)でもOKです。
正解は、(4)ベリー類です。
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